欧風薬膳カレー・冷凍カレーに使用するスパイス　　その⑧・⑨　　「黒コショウ」・「白コショウ」

コショウの説明しなくてもお分かり頂けていると思いますが、スパイスの中でも、これほど世に広まり使いやすく、世界中で愛されているスパイスはありません。
そのためコショウは「スパイスの王」と呼ばれているそうです。

コショウは木や柱に巻き付いて育つ植物です。

コショウは歴史の古いスパイスで、紀元前2世紀の中国・漢時代に記録が残っているそうです。
中世ヨーロッパ人にとっては非常に貴重なスパイスで、大変高価で、イギリスでは通行料や地代・税金をコショウで払っていた地域もあったそうです。

熟していないコショウの実を収穫し、天日干しで乾燥させたもの。
しわがあるのは果皮ごと乾燥させているためで、緑色の実は黒色です。
風味は爽やかでピリッとした刺激的な辛味があります。コショウの中では最も風味が強く、辛さを効かせたいときは黒コショウが向いています。

赤く色づいた成熟実をした発酵させて水に浸して外皮を取り除いたものがホワイトペッパーです。
風味は黒コショウより穏やかですが、しっかりとした辛味と爽やかさがあります。

❶抗菌・防虫・防腐作用

古く中性ヨーロッパの時代から珍重されて来た効能です。胡椒に豊富に含まれるピペリンの力によるものです。

❷血行促進作用

同じくピペリンの効能になります。血管を拡張させて身体の末端まで血液を行き渡らせる為、冷え症の方に特に効果が高いです。

❸消化不良の改善・食欲増進

ピペリンには脾臓の消化酵素を刺激する力があり、また上記の血行促進作用により消化器官の働きを向上させる効能もある為、胃腸の不調の改善や食欲増進につながります。

❹栄養素の吸収力アップ

ピペリンの血行促進作用は血液の濃度を高める為、栄養素の体内輸送を助けてくれます。その為、共に摂取した他の栄養素の吸収も促進してくれます。

❺ダイエット効果

ピペリンの血行促進作用は、エネルギーの代謝も向上させます。結果として脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエットの効能までも期待できます。

❻アンチエイジング効果

ピペリンには抗酸化作用もあります。がんなどの恐ろしい病気から身体を守ってくれる他にも、お肌の老化を防ぐ効能も期待できます。血行促進の効能や鉄分を多く含んでいることも美肌作りを助けてくれます。

❼風邪に強い身体に

ピペリンには発汗作用もあります。風邪の時に胡椒を使った料理で沢山汗を流すようにすれば、代謝を高める効果とも合わせて風邪を一気に治すことが可能になります。

❽高血圧の療法食に

胡椒に多く含まれるカリウムには塩分排出を促す効果があります。

【黒コショウ】
肉・魚・野菜料理から煮込み料理・ドレッシングなど、幅広い料理に合います。
塩味だけではなく、黒コショウを効かせたクッキーなどの焼き菓子も相性がいいです。

【白コショウ】
鶏肉・豚肉料理や白身魚・ソース・スープ・卵料理・ドレッシングなどに加えるとほのかな辛味が付きます。
特にクリーム料理やマヨネーズなど淡い色の料理によく使われてます。